
株式会社スープストックトーキョー
徹底した自分ごと化で、ブランドの世界観をデジタルで実現
- 要件定義
- 設計
- 開発
- 運用保守
- UX/UIデザイン
「“新しい基準 ── New Standard” を創出し、社会の不合理をなくす。」を使命に掲げる株式会社Scene Liveさまは、音声データを活用したセールステック・HRテック領域のSaaSを展開する企業です。設立から15周年という節目を迎えるいま、同社が向き合っていたのは「言葉として伝え続けてきた理念が、まだ具現化できていない」という課題でした。 アクトビは、企業の理念やパーパスをユニフォームへと翻訳・可視化するサービス「PHILOSOWEAR」を通じて、要件定義からコンセプト設計、ユニフォームデザインまでを約8ヶ月にわたり伴走。Scene Liveさまが思い描く"自分たちの姿"を、思想を纏うことができる一着へと落とし込みました。
| Client | 株式会社Scene Live |
|---|---|
| Industry | IT・SaaS |
| Scope | 要件定義 / コンセプト設計 / ユニフォームデザイン |
| Output | ユニフォーム / コンセプトブック(ZINE) |







「ニュースタンダードを作る会社」。新しい基準を一つ作り、その指標をみんなが目指すことで、より良い循環が生まれる。Scene Liveさまが社内外に掲げ続けてきたこの思想は、事業運営にも組織運営にも一貫して息づいています。ワークショップや全社会議、社内アワードなど、理念を意識する機会はこれまでも多く設けてきました。それでもなお残っていた理念浸透の壁は「言葉」の域を超える難しさだと、代表の磯村氏は振り返ります。
数ある理念浸透の施策の中で、Scene Liveさまはなぜユニフォームを、そしてPHILOSOWEARを選んでいただいたのか。その理由は、同社の思想そのものと重なっていました。
私たちが考えるニュースタンダードは、一つの指標を作るということです。それが具現化される新しい選択肢が、まさにユニフォームでした。これを着るとき、自分たちはどんな心持ちで、どう挑もうとしているのか。そうした想いも込めることができます。よくあるお揃いのTシャツなどではなく、一つ一つのデザインに理由が詰まった一着になったので、社内の配布式でもみんなとても喜んでいましたし、"これを着て、ニュースタンダードに挑んでいくんだ"という想いが集まった感覚がありました。これを自社で作ろうとすると、社長の自分よがりになっていないか、会社の押し付けになっていないかという部分も、少し不安に思ってしまうんです。そこを今回、第三者としてアクトビさんに誠実に整えていただけるのは、とてもありがたいと感じました。ですので、このサービスを提案いただいたときは、「これを作ってほしかったんだ!」と率直に感じましたね。スタートから絶対にうちでやりたいと思っていましたし、進んでいく中でも「そうそう、求めていたのはこういうの!」と感じる場面は多々ありました。
このプロジェクトの起点はユニフォームデザインではなく「思想をどれだけ深く理解できるか」にあります。アクトビは最初のコンセプト設計のフェーズに、社内での準備工程を含めて約80時間を費やしています。そのすべては、Scene Liveさまが思い描く"自分たちの姿"をユニフォームへと落とし込むため、“正確に掴む”ための時間でした。プロジェクトリーダーを務めた石村と、ユニフォームデザインを担当した和田が、その工程を振り返ります。
一番難しく、一番大切にしていたのが、Scene Liveさまが理想とする"自分たちの姿"を私たちが理解し、コンセプトへ落とし込む工程でした。企業さまごとに、大切にされてきた想いや歩んでこられた歴史は一社として同じものがありません。だからこそ、その一社だけの輪郭を掴みきるまで対話を重ねる必要があるため、このフェーズに多くの時間を費やしています。ヒアリングを行っていく中でも「私たちの目線からはこう見えている」というものはありますが、正解はScene Liveさまご自身が見ている姿の中にあると考えていました。ですのでアクトビの正解を持ち込むのではなく、皆さんの言葉一つ一つをすり合わせながら、その解像度に合わせてユニフォームデザインへ表現していくことを意識していました。
言語化については私自身も得意な方なんですが、それでもアクトビさんがすごいなと感じたのは、自分たちの考えを言語化し押し付けるのではなく、私たちの言葉を"受け入れた"うえで、ユニフォーム用に表現してくださるところです。その柔らかな形の言語化が、とても上手いなと感じていました。ふわっとしたものをカチッとさせる言語化ではなく、すでにカチッと固まっているものを『服にするとこう表現できますよね』と柔らかく提案してくださる。普段から意識していないとできない提案だなと感じました。また、プロジェクト管理や進行のスピード感なども印象に残っています。まだパッケージにないような、こちらの新しいアイデアやお願いをお伝えしたときも、「やってみます」と一旦受け止めてくださる、あの反応の速さは圧倒的で、素直に感動しました。
完成したユニフォームは、Scene Live設立15周年にちなんだ社内イベントでお披露目されました。社内のフリースペースにランウェイをしつらえ、社員がモデルとなって歩く演出のなか、磯村氏がこだわりを一つひとつ紹介していったといいます。この一着がもたらす変化は、メンバーが初めてユニフォームに袖を通した時から始まっていました。
ユニフォームデザインの一つ一つに理由や背景がありますので、納品された時は服を手に入れた感覚という よ り、"おもちゃ"を手に入れたような感覚に近かったです。「後ろのこのデザインはこんな意味になっている」「ここもこんな仕掛けが?」「このボタンまで?」と、ガジェットを手に入れたときのワクワクした気持ちに近かったですね。 予想していなかった効果もありました。今回作成したユニフォームは、毎日必ず着るものでも 、ここで着るようにと会社側で定めているものでもありません。だからこそ社内に着ている人がいると「あ、ユニフォームを着ているな」と、いろいろな場面で会話のきっかけになるんです。同じ会社に属していても 、部署が違えば興味も感性も全く違います。そういった部署を越えたメンバー同士のコミュニケー ションが生まれるとは、想像していませんでした。僕個人として も 、"取材のとき何を着よう"と考えなくてよくなった安心感は、とても大きいですね(笑)社外の方から反応をいただくこともありました。取材時に私と社員が同じユニフォームを着ていたところ、取材に来られた方から「これ 、お揃いですよね?会社で作られているんですか?」と声をかけていただいて。「自社のユニフォームなんです」とお伝えすると、「すごく良いですね」と言っていただけました。社内だけでなく、社外の方の目にも留まるものになっているのは、嬉しい驚きでしたね。
会社の規模が大きかったり部署が違ったりすると、その分普段の会話も少なくなるため、社員それぞれのパーソナルなところがなかなか見えないと感じることがあります。そのため一方的に「社内企画などには、あまり興味がなさそう」といったイメージを持ってしまう方もいて。ですが、そう思っていた方がユニフォームを着ているのを見かけると、「あ!着てくれている!」と勝手に嬉しくなることも多くありました。会話のきっかけになるのはもちろん、会話がなくても同じユニフォームを着ているだけで自然と仲間意識が強くなったような気持ちになり、こういったことは予想していなかった効果として感じています。
導入したばかりの今でも、このように日常の小さな変化は現れてきていますが、個人的に一番楽しみにしているのは、これから先の総会やイベントなどで全員がこのユニフォームを揃って着るシーンです。またこの先の目標としては、特別に意識しなくても“理念が日常に自然と溶け込んでいる”ような、そんな状態をこのユニフォームと共に目指していきたいと考えています。
私たちは他社に比べても自社の想いや理念を大切にしており、向き合ってきた方だという自負はありましたが、その理念は"具現化されたもの"として認識されていませんでした。これまで行ってきた理念浸透に関する施策は全社会議や社内アワードなど、僕自身が社内に対して言葉で伝えるものが多かったと感じています。言葉は直接本人に届けられる反面、解釈などは受け取り手に依存してしまう側面があり、個人によって見え方が変わったり、それぞれの見解が生まれてしまいます。実際に現場で、採用ペルソナやコーポレートカラーを作っていく中で、困っているリーダーを見たときなどに“理念が浸透しきれていない”と感じたこともあり、言葉の域を出られていないという理念浸透の壁は、課題の一つとして感じていました。理念浸透によって何かしらの効果を求めていたというよりも、理念が浸透しきれていないときのばらつきのほうが気になっていましたね。本来ならそこは「この理念を信じて向かえばいい」で済む迷いが、社内の日々の会話に出てきてしまう。だからこそ理念浸透は、そういう意味でも弊社にとって大切な取り組みだと感じていました。